キムジェウクがだーーーいすきな私、ついに見ました、「客」
キムジェウクの司祭姿を拝むぜ!くらいの気持ちで観て本当にごめんなさい
ハッピーエンド?なめんなよ!!と襲い来る怒涛の闇
そして同じ血と涙と泥水をすすった人間同士にしか
分かり得ない何か
がそこにはありました。
というわけで、語ります。
ネタバレするよ!!!!!!!かなり!
まずは本編を観てください!
霊媒師の家系に生まれた ユン・ファピョン
敬虔なクリスチャンの両親の下に育ち司祭となった チェ・ユン
刑事の母を持ち、自らも同じ道を選んだ カン・ギルヨン
本来は交わることのなかったはずの3人なのに、悪霊が引き起こした惨劇によって「出逢って」しまうわけですよ。
この3人が20年後に再会するところから物語が始まるのですが、私はまずこの3人の
20年間の歩みを想像してしまうわけです。
ファピョンは生まれ持った「体質」が災いし、自分に憑いた悪霊(これは後々真相が明らかに)のせいで母と祖母を喪い、父には殺されかけ・・
村中から怖がられ、疎まれ、祖父に親戚に預けられて育ちます。
その後の人生は自分の家族を殺した「悪霊」を倒す事を目標にして
生きることになるわけです。
世捨て人のようなガランとした部屋で、母の好きだった菓子を供えながら話しかける
姿は涙なしでは見れませんでした。
しかし生まれ持った体質のせいで災いが降りかかるというどうしようもなさは、
古来よりある「守りたい主人公」の姿よね・・
悪霊のことを憎みつつも、どれだけ自分のことを攻めてきたのでしょう。
自分が存在しなければ家族は幸せに暮らしていたのに、と思ってきたのでしょう。
後述のユンとギルヨンのことも、自分のせいで家族を喪った子供たちとして記憶していたと思いますが、どれだけ苦しんできたのか。
だからこそ、「悪霊を倒すためだけもの」として自分の命と人生を費やしてきたことが想像に難くない。ファピョンは最初の頃こそ飄々とした雰囲気で、「弱さ」を感じる場面はなかったのですが、話が進むごとに彼の抱える痛みの強さ、1人ではとても太刀打ちできない運命の過酷さに気づかされ
あれ・・?この人を守ってあげたい・・・
という気持ちに・・ヒロイン枠・・?
「自分が生きていると人が死ぬ」
という状況になったらみなさんどうしますか?
その怖さ、罪悪感たるや相当なものでしょう。
ファピョンはその恐怖を押し殺して、悪霊を倒すために必死に心臓を鼓動させている。
彼が恐怖から逃れたいと自死を選んだとしても誰も責められないような境遇だけど、
その手段を選ばずに生きてきたわけですよね。ファピョンは本当に偉いのよ(号泣)
そして彼が懸命に悪霊を見つけだそうと生きる中で「再会」したのが チェ・ユン
敬虔なキリスト教信者の両親と歳の離れた優しい兄に囲まれて育ち、
ゲームがやりたくて塾をサボっちゃう何処にでもいる子供だった。
優しい兄は、悪霊にとり憑かれてしまったファピョンの除霊のために祖父が呼んだ
聖職者の1人として(映画「黒い司祭たち プリースト」の知識で語ると
除霊は基本2人1組で行います)
彼と関わったことで悪霊にとり憑かれ、「司祭になりたくなかったのに両親に無理やりその道を選ばされた」という小さな不満、その心の隙間に入り込まれて両親を殺害。
ユン自身も両親の返り血で血まみれの兄に殺されかかりましたが、間一髪で女性刑事に救われます。
兄はその後行方をくらませ、20年見つかっていません。
ユンの事件後の人生はというと。
両親を亡くし、猟奇的殺人犯の弟になったユン。教会の孤児院で育ったことが明かされています。事件から20年経っても、「両親はカルト宗教の信仰者だった」など根も葉もない噂に晒されている様子が描かれており、被害者でありながら優しく手を差し伸べてくれる人の少ない人生だったことが伺えます。孤児院でも友達は全くいなかったとか。
ユンは神の道に殉ずることを選び兄と同じ司祭になりました。
事件をきっかけに、悪の存在を信じるようになったからこその決断だったようです。
兄と共に除霊に同行していた司祭からも兄が「悪霊」に触れてしまったことをきいて
いましたし・・・魔にとり憑かれた兄をその目で見ていますからね。
新たに得た名前はマテオ(Matteo)聖マタイのことです。
司祭ってなるのめちゃくちゃ大変なんですよ。6年間神学校に通って、
実務を経てようやくなれるもの。生半可な気持ちではありません。
そして祓魔師(エクソシスト)でもあります。これも兄と同じ・・・
ユンの生き方もまた、苦しいものがありますね。
まず「司祭」の道を選んだら結婚はできない。子供も持てない。つまり家族を持つことができないのです。規則も多く、自分が望んだ場所で生きることもできない。
本来あるはずだった人生をある意味「捨てて」いるのです。
ゲームがやりたくてこっそり自室のベットの下に隠れて笑っていたユンを1話で観た人間としては辛くて辛くて・・・
可愛いどこにでもいる子供だったんですよユンは。
それが、神に殉ずる道を歩む青年になったことが切なくて。
敬虔な信徒であった家族を神は救わなかった。
それでもユンは神の道にしか救済を求められない。その矛盾。
司祭として生きながら、行方をくらませた兄を探し続けています。
ファピョンとユンの事件後の人生は、どこまでいっても「自己犠牲」です。
自分の人生を楽しく生きることを諦めざるをえなかった。
そして、自ら事件に囚われ続ける人生を選んだ。
ファピョンは「全部終わったら普通の人生を歩みたい」みたいなことを言っていたので、渇望が全くないわけではないんですよね。そりゃそうだよ・・
彼らは普通の子供だったわけで「事件がなかったら」と思った日も絶対あったと思う。
でも事件を忘れて生きる事はしなかった。苦しい。
(ファピョンの霊をひきつける体質は一族に伝わるものなので、子供とか持つことも避けそうだなと思ってしまう)
そしてカン・ギルヨン。
彼女がどこでこの二人と人生を交わらせるかというと
刑事だった彼女の母は、20年前にユンの実家の前で佇んでいたファピョン
(父に殺されかかり、ユンの兄に助けを求めるためにやってきていた)の姿を見つけ、
そのただならぬ様子
(ファピョンはその体質によりユンの兄が家の中で殺人に手を染めていることを察していた)から
ファピョンが見つめていた家に入って、兄に殺されかかっていたユンを助けたのです。
彼女はユンを助けるために悪霊にとり憑かれ正気を失ったユンの兄と対峙し
頭を叩き割られて殉死しました。
ギルヨンはその後、母と同じ刑事の道を選びます。
それは母を殺害し行方をくらませた男を見つけ出し、裁きを受けさせるため。
つまり事件から20年後のドラマ開始時点で、
ファピョンは悪霊にとり憑かれた司祭を
ユンは両親を殺めた兄を
ギルヨンは母を殺めた殺人犯を見つけ出すために
生きていたわけです
(つまり同一人物を探していた)
凄惨な事件が起こったチェ家で交わった3人の人生。
3人とも「あの夜」に囚われたまま生きてきた。
いや~凄い話だよこれ 因果というものですね。
しかしファピョンの視点からすると、
ユンとギルヨンは被害者で自分は加害者なわけです。自分の体質のせいで悪霊がユンの兄にとり憑いてしまった。
自分を助けようとした優しい司祭は自分のせいで殺人犯になった。
自分が助けなんか求めに行って家の前に立っていたせいで刑事は血にまみれた家の中に足を踏み入れて殺された。その結果ユンとギルヨンは家族を喪ったわけです。
ユンとギルヨンも、ファピョンの正体に気づいたとき最初は「彼がいなければ」という気持ちを持ったようにも見えます。
しかし、彼らをどうしようもなく繋ぐのは
「同じ悪霊に大切な家族を奪われたこと」と「孤独な幼少期」
誰とも共有しようのない苦しみを知っているからこそ、ファピョンの生きてきた過酷な人生を知るごとにユンとギルヨンはファピョンに心を寄せていくのです。
どうしても憎しみ続けることができない。
一緒に傷をかばい合い、互いを護り続けることを選ばざるを得ない、3人。
それは運命なのか、悪霊が呼び寄せているのか・・・。
すごい話でしょう?(2回目)
とんでもないですよ本当に。
話が進むごとに、ユンとギルヨンは「共闘」の姿勢を露わにしていき
3人で悪霊を倒そう、という決意を固めていくのですが
その過程で、ファピョンの孤独がどんどん浮き彫りになっていくんですよね。
ようやく現れた仲間。しかし、2人の側に自分がいると危険が及ぶのだということを
真相に近づけば近づくほどファピョンは知っていく。
これ以上ないソウルメイトであるはずの2人からも、どんどん遠ざかろうとするのが
悲しい。ごく普通の幸せからも、どんどん遠ざかっていく。
2人の「あなたは悪くない」という言葉も受け入れきれない・・
そして、最終話で
このファピョンという人を深く深く理解する出来事が起こるのです。
これが凄かった。
この世で最も強いものは間違いなく愛
生も、死も、すべてを凌駕するもの
というとんでもない回なのですが
それについては次回!(´;ω;`)






