君の名前で僕を呼んで 僕の名前で君を呼ぶ

ねたばれ感想
f:id:redredredblue:20180529222430j:plain





















ひどいよ!

見終わって、最初に呟いた言葉はコレでした。

ひどいひどいひどいひどい・・!
この後に

なんでやねん!!!なんで!?なんで!?!?!?!?(号泣)

でした。

ネタバレは極力避けて、見に行きましたが、なーーーーーんとなく、知ってはいたのです。
手放しのハッピーエンドではないこと。
「美しいイタリアの避暑地での、一夏の切ない恋」みたいな売り文句的に、「嗚呼、二人の恋は一夏なのか・・同性愛につきものの悲恋系か、そして美少年は大人になるのな」
という悟り的な感情を抱き、物わかりのいい、恋愛経験豊富なOLみたいな面をして、じゃあ美しい恋物語とビジュアル観るか〜みたいなテンションだったのだ。
知っていた。切ないんだって。
でも、油断したのだ。
そもそも、思っていたより結構長い映画だった。好きになって、大人になって、別れて、「でも幸せだったよ」ってエリオが言うみたいなのを想像してたから
エリオの意識がグッとオリヴァーに向いていったり、結ばれたり、結ばれた後の時間も結構長くて、あれ?もしかしてずっと幸せなんじゃないの?と思った
だってさ!「避暑地からオリヴァーが去ったあと」も二人の関係は続いているんだもの!!
二人でラブラブ旅行したりするんだもん!!!!
油断するやろ!この二人は永遠なんだって、思うやろ!!!
夏が終わっても続くラブラブ旅行、理解ある両親、お父さんの言葉によってこの恋は肯定されていて。
オリヴァーは切ない顔を汽車の中でしていたけれど、エリオも泣いていたけれど、エリオは「終わり」を確信していない顔をしていたから
そして私の頭を「続編の製作に監督が前向き」という話を思い出したから
この恋、終わらないのでは!?!?
エリオとオリヴァーはずっと一緒なのでは!!?!?

っと思ったら結婚てーーーー!!!!!なんでーーーーー!なんでよーーーー!!!!!!(号泣)


冬のシーンの、オリヴァーからの電話を受けたエリオの、嬉しそうな顔、見ました???
きっと、オリヴァーからの連絡はなかったんですよ。ずっと。
「別れよう」とか「さようなら」とか決定的な一言を何も言われない、ということに安心してた部分もあるのかもしれないと思うの。17歳のエリオは
オリヴァーの電話に、にこにこして、「会いたいよ」っていうんだよ
待ってたんだよねぇ、大好きな大好きな男がやっと電話くれて、声が聞けて、嬉しいよ〜が全身から滲むエリオちゃんso so cuteだったよね
「結婚とか?」っていうのは、予防線っていうか、ちゃかすというか本気で問いつめる言葉じゃなかったのに・・
みるみる笑顔がしぼんでいくエリオちゃんが辛すぎて、唇噛んでわなわな震えました。
オリヴァーは、「君のことは愛してるけど察してくれ」みたいな気持ちだったのかもしれない
エリオだって、「オリヴァーは自分を弄んで捨てたんだ」という考えだけで終わらないだろう。そんなに子供じゃない。
でもエリオは子供の感情でオリヴァーを愛していたのだ。
あんなに好き合ったのに、キスしてくれたのに、一緒に泳いで走って笑い合ったのに。
終わり??
終わりなの?これで??なんで??どうして???

という私の混乱とともに映画は終わった。
怒り、悔しさ、辛さで混乱しました。
それは、「エリオを捨てた」オリヴァーに対してだったり、彼がエリオから離れることを選ばせた当時の同性愛をとりまく環境に対して。
あの美しい、体から溢れ出すもの凄い熱量の愛の前ではそんなものはもの凄く些細なことのはずなのに、大人になってしまった人々はそれを「些細なこと」にできない。
そんなものよりもあの時間が、互いへの愛が尊かったのだと気づくのは、もっともっと後になってしまって、その時にはもうあの時の二人は遠くへ行ってしまって、取り戻すことができないのでしょう。
エリオのお父さんの存在によって「全ての答え」は出ているのに、オリヴァーはあと何十年先までこのことに気がつくことができない。
なんて残酷なことなんだろうと思う。頼む、早まるなオリヴァー、エリオパパに電話してよいいアドバイスくれるから

そしてもっと残酷なのは、この時代は同性愛を「でも好きなんだから大丈夫!」って応援してくれる人も、LGBTを受け入れる世界も
今以上にないんだろうと想像できてしまうところ。
きっとオリヴァーは誰にもエリオのことを相談しない。「それなら結婚なんて辞めて、彼の所に行きなさい!」と言ってくれる、ドラマにいがちな女友達もいない。
オリヴァーの周りの家族も友人も、誰もエリオのことを知らない。あの美しさは永遠にオリヴァーの中に閉じ込められてしまう。
だから二人のその先を想像できないんです。
一生懸命ハッピーエンドを想像してみるけれど(時代が変わり、歳取ってから再会。とか結婚辞めてやっぱりエリオに会いにくるオリヴァーとか)
きっとそうならないんだ。と自分で気づいてしまうのが本当に切ない。
でも、あの世界にもゲイで幸せに生きている人はいて、だからこそ二人はどうしてそうならなかったのか、その選択をオリヴァーはしなかったのか
という問答に迷い込んでしまう・・(泣)




と、いうか、もう最後が衝撃的すぎて
・少年はこの恋を経験して大人になる(キリっ) とか
・イタリアの美しい風景 とか
全部吹っ飛んだよね
もう解釈とか考察とかそういう頭いいのできない、もう無理
オリヴァーをいっぱいいっぱい愛したエリオちゃんが
もうオリヴァーとイチャイチャできない
手をつないで歩けない、キスできない、旅行したりできない
もう二人でいれることはない
私にとってはコレが全てでした。
こんなにナイフ突き立てられたのは初めてだよ。
あれ?恋愛映画じゃなかったの。
こんなの
最後の3分、あなたは必ず騙される」みたいなスペクタクルサスペンス映画じゃん!!!(泣)
いらない!エリオちゃんとオリヴァーの愛にスペクタクルいらない!!!
二人で手繋いで肩寄せ合って髪をなでて額にキスする日常がずっと続く幸せ映画でいいよ!
なんでよ!!!!(号泣)


暖炉の前でエリオちゃんが泣いてる場面、
このまま終わられたら私のメンタルが死ぬと思っていたけど
そのまま終わったのでメンタル死にました。
なにあのシーン。エンドロール無しでフェードアウトって、初めて観たけど、
あんなに美しくて辛いシーンない。トラウマレベルで脳と心に刻まれました。
エリオちゃんの涙はダイヤモンドだけど、本当に泣いて欲しくなかった。
どうしてオリヴァー。どうしてなのオリヴァー(号泣)(最初に戻る)